らっこの国のお姫さま
ある日、城のテレビをつけると、姫の大好きな大食い選手権をやっていました。

姫はきゃぁきゃぁ騒ぎながら応援していました。

特に元キンとアーティストを応援していました。

「じぃ!
じぃ!
早く肉じゃが持ってきてきぅ!」

姫はガツガツ食べました。

そして横になって、

「じぃ!食後のおやつにからあげくん頂戴きぅ!」

と、催促しました。

「姫……テレビの前でギャル曽根と張り合ってどうするのです。」

そう言いつつもからあげくんを貰い、上機嫌で見ていた姫が、突然放送終了後に、元気をなくしてじぃにくっついてきました。

「どうしたのです?」

「あのね…ジャンボ白田が引退するのきぅ……。
姫の好きな元キンも一緒に引退するんだって…。


姫はじぃの服で涙と鼻水を拭きました。

「姫…。」

じぃは怒るに怒れず、

「姫には笑顔が似合いますよ。」

と言い、王子とのアルバムを出してあげました。

姫はその日、夜遅くまでアルバムを見ておとなしく眠りました。

涙の音だけが、ザザン!ザザン!と聞こえていました。
< 10 / 29 >

この作品をシェア

pagetop