らっこの国のお姫さま
姫の部屋の窓から見える青い空の遠くに白い夏の雲が浮かんでいます。
海のあちこちの岩の上には海鳥達が羽を休めています。
誰もいない静まり帰った浜辺は海草だけが打ち上げられて、まるで忘れ去られた場所のようです。
昨日と何も変わらないその部屋で、同じように横たわった姫もいます。
ですが城の空気がいつもとどこかが違います。
波の音が響き、姫の枕元にはティッシュの山が出来ています。
姫の部屋の入り口には【立ち入り禁止】の札が立てられています。
青い空を見ても、大好きな波の音を聞いても、何故か今日は楽しくありません。
大好きな食べ物も喉を通りません。
心なしかやつれた横顔です。
飼育係の姿がありません。
そうです。
飼育係は暫く実家に帰っていなかったので帰省を申し出たのですが、さびしがりやの姫はそれを許しませんでした。
飼育係は罪もない姫に暴言を吐き、やつあたりの限りを尽したのです。
乱心と言うやつです。
いくら飼育係が謝っても姫の心の傷は癒えませんでした。
「帰る場所や家族がいる飼育係に、姫の気持ちはわからないきぅ……。」
波が寄せては返す度、その日はいつもは明るい姫の瞳にも涙が溢れて止まりませんでした。
海のあちこちの岩の上には海鳥達が羽を休めています。
誰もいない静まり帰った浜辺は海草だけが打ち上げられて、まるで忘れ去られた場所のようです。
昨日と何も変わらないその部屋で、同じように横たわった姫もいます。
ですが城の空気がいつもとどこかが違います。
波の音が響き、姫の枕元にはティッシュの山が出来ています。
姫の部屋の入り口には【立ち入り禁止】の札が立てられています。
青い空を見ても、大好きな波の音を聞いても、何故か今日は楽しくありません。
大好きな食べ物も喉を通りません。
心なしかやつれた横顔です。
飼育係の姿がありません。
そうです。
飼育係は暫く実家に帰っていなかったので帰省を申し出たのですが、さびしがりやの姫はそれを許しませんでした。
飼育係は罪もない姫に暴言を吐き、やつあたりの限りを尽したのです。
乱心と言うやつです。
いくら飼育係が謝っても姫の心の傷は癒えませんでした。
「帰る場所や家族がいる飼育係に、姫の気持ちはわからないきぅ……。」
波が寄せては返す度、その日はいつもは明るい姫の瞳にも涙が溢れて止まりませんでした。