らっこの国のお姫さま
「王子~王子ぃ~!!」
波に揺られている王子の側に、巨大なスイカをお腹に乗せたらっこ姫がやって来ました。
「姫!どうしたのです!
随分と沈んでいますよ!」
「スイカが……スイカがあまりに重くて……王子少し食べて減らして下さい。」
王子は、らっこならではの強靭な歯と顎でスイカと皮ごと食べて減らしてゆきました。
「甘いですよ!姫!
今度は僕のお腹にスイカを乗せますから姫もお食べ下さい。」
王子のお腹に乗ったスイカを姫はたくさん食べました。
そして二人で手を繋いで波に揺られていました。
「幸せですねぇ……。」
王子が先に言いました。
「姫も幸せです。」
そこに飼育係が舟を漕いでやって来ました。
「ああっ!
やっぱり食べきれてない!
姫は勝手に持ち出すんですから!
メッ!ですよ!」
飼育係は王子のお腹の上からスイカを取ると、持参した塩を取り出して振り、食べ始めました。
「甘いっ!
幸せだなぁ……。
父さんや母さんや弟、元気にしているかなぁ……。」
飼育係の溜め息を聞いて、姫が悲しげに言いました。
「飼育係には優しいパパとママがいていいきぅね……。
姫にはいないきぅ………。」
それを聞いて王子が言いました。
「姫には私がいるではありませんか。
大きくなったら、結婚して二人でこの国を栄えさせていくのですよ。」
そう言うと、らっこ姫の手をギュッと握りました。
「王子……!」
飼育係はそっと、二人の邪魔をしないように岸へと離れました。
太陽がそんな三人を優しく照らしていました。
波に揺られている王子の側に、巨大なスイカをお腹に乗せたらっこ姫がやって来ました。
「姫!どうしたのです!
随分と沈んでいますよ!」
「スイカが……スイカがあまりに重くて……王子少し食べて減らして下さい。」
王子は、らっこならではの強靭な歯と顎でスイカと皮ごと食べて減らしてゆきました。
「甘いですよ!姫!
今度は僕のお腹にスイカを乗せますから姫もお食べ下さい。」
王子のお腹に乗ったスイカを姫はたくさん食べました。
そして二人で手を繋いで波に揺られていました。
「幸せですねぇ……。」
王子が先に言いました。
「姫も幸せです。」
そこに飼育係が舟を漕いでやって来ました。
「ああっ!
やっぱり食べきれてない!
姫は勝手に持ち出すんですから!
メッ!ですよ!」
飼育係は王子のお腹の上からスイカを取ると、持参した塩を取り出して振り、食べ始めました。
「甘いっ!
幸せだなぁ……。
父さんや母さんや弟、元気にしているかなぁ……。」
飼育係の溜め息を聞いて、姫が悲しげに言いました。
「飼育係には優しいパパとママがいていいきぅね……。
姫にはいないきぅ………。」
それを聞いて王子が言いました。
「姫には私がいるではありませんか。
大きくなったら、結婚して二人でこの国を栄えさせていくのですよ。」
そう言うと、らっこ姫の手をギュッと握りました。
「王子……!」
飼育係はそっと、二人の邪魔をしないように岸へと離れました。
太陽がそんな三人を優しく照らしていました。