泣いたら、泣くから。


 やはり先に口を開いたのは姪である。


「ねえ、叔父さん」


 今回は目はない。

 だが、なぜか敏感になっているわたしは声だけでも体がぐっと強ばった。


「……なんだい?」


 すると、姪の口から驚きの発言が飛び出した。


「日曜日、買い物に付き合って」


 直後、わたしは軽い頭痛を覚えた。
 そして、ふたたび言葉を失い、どうしようもなく沈黙してしまうのだった。


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