タイムマシン


海渡くんからの
初めての電話に
ドキドキしてる






お母さんが
キッチンで
聞き耳
たててるのを
感じながら






受話器の
向こうから
聴こえる
大好きな
海渡くんの
声を
聴き逃さないよう
一生懸命
耳に神経を
集中した






それなのに
声が近くて
ドキドキしすぎて
頭がぼぉっと
してしまう






「友子‥聞いてる?」

「あっ‥うん。聞いてるよ。」

「今から一緒に図書館行こうか?」

「図書館?」

「うん。一緒に勉強しよ。本当はどっか遊びに行きたいけどそうも出来ないからな。」

「うん!」

「じゃ俺‥今から迎えに行くな。」

「うん!じゃ‥待ってるね。」






電話を切ると
キッチンから
「ふふっ友子これから図書館行くの?」


あぁ‥やっぱり
お母さん
聞いてるし






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