ジェネシス(創世記)
第七章 二つの祖国
第七章 二つの祖国

「私の小指は、父の腰より太い(列王記、上)」

 モンの長男ブアムが支配し二つの士族が住む北の国、ユダ。官僚ヤロブが支配し一0の士族が住む南の国ラエル。

同じ民族、同じ信仰心を抱く者同士が、愚かにも二つの国に分かたれてしまった。民たちは国王の後継者を巡って、争いが続いた。

だれを国王に選び、支持すればよいのか。もはや権力闘争は、「主」が決定するものではなく、議会によるところが強かった。それは、新たな苦しみと試練の始まりだった。

私は中学校にも行かず、家の中で引きこもっていた。悪童オキツグのいじめが、原因だ。五年以上も対人恐怖症に陥り、人と接するのが怖くなった。

こんな最低な人間でも、引き取って教育を施してくれる人がいた。その人のためにも、社会復帰をしなければならない。

私はこれから、どんな生き方をすれば良いのであろうか。「主」よ、私を導いて下さい。

「玉を磨かねば器にならず、人は学ばなければ道を知らず(礼記)」
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