ジェネシス(創世記)
「教育の目的は、機械を作ることではなく、人間を作ることにある(ルソー)」

「人間は、教えている間に学ぶ(セネカ)」

「できる者が行い、できない者が教える(バーナード・ショー)」

 エル(教えたまう者)は、学校を設立し、子供たちに教育というものを実践した。それは、丸木で建てられた粗末な小さな学校だった。授業といっても、この時代の学問では、満足いく教育を施せなかった。

 最初は、遊びから始まったようだ。エルも子供達と遊びながら、何かを学んでいった。当時はまだ、「絵や壁画」もない時代だ。「文字」などはまだ、開発されていなかった。

教科書がないため、全て「言葉」と「技術」だけでエルは教え伝えた。

「教育のない国に、国家はならず(マンタ)」

 エルの子孫たちの中から、天文学を重視した、四人の「神官」と呼ばれる者が現れた。族長を補佐する者たちだ。

それは、「天から使わされた者」と称された。ミカ(神官長)・ラフ(旅人の守り人)・ガーブ(告げゆく者)、そしてディア(中傷する者)である。後世でも、神官に選ばれた者たちは、そのような名称を名乗った。

 けれども、ディアだけは平然とウソをつき、人をだまし、財物を搾取していた。その極悪非道ぶりは、目にあまるものがあった。喧嘩は日常茶飯事。神官の立場を利用しては、女性たちを強姦していた。業者から、賄賂を受け取っていた。

 ディアは仲間と相対立し、罰を受けて罪人の島「サドガシマ」に流された。その後ディアは、悪の権化の象徴とされた。これにより、神官たちは三人となった。

「姦淫するなかれ。盗むなかれ。偽るなかれ。悪しき心を抱くなかれ(出エジプト記)」

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