蝶々結び
「静かにしなさい!」


生活指導の先生の言葉も虚しく、体育館の中はざわめいている。


静かにしないと始まらないし、いつまでも終わらないじゃん……


あたしは、ずっとイライラしていた。


こういう所があるから、友達が少ないのかもしれないなぁ……


そんな事を考えながら…。


やっとの事で、校長先生の長い話が始まった。


ほとんどはどうでもいい話ばかりで、それが余計にあたしを苛立たせた。


やっと校長先生の話が終わり、今度は新任教師と赴任教師の紹介が始まった。


いつまで、このダラダラとした始業式が続くんだろう…。


立たされたままで怠くなった足を、少しだけ動かす。


隙間風で冷えた足は、触らなくても冷たい事がわかった。


先生の紹介の間、あたしはぼんやりと過ごしていた。


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