蝶々結び
あたしは神社に向かいながら、『星の舞』の事を考えていた。


小学生の時から踊っているけど、年に一度の事だから不安はある。


多少は、緊張もする。


上杉先生の前では、完璧に踊りたい。


もしかして、あたしってプライドが高いのかな……


「七星ちゃん!」


神社に着くと、境内の近くで待っていてくれた神主さんの奥さんに呼ばれた。


「おばさん、こんにちは」


「うちの人、待ってるで!もうご飯の用意出来てるから、それ食べたら練習頑張ってな!」


「はい!」


神社には、既に町の人達も何人か来ていた。


出店をする人は、毎年朝から準備をしている。


あたしは何人かに声を掛けられながら、神社の敷地内にある離れに向かった。


そこで奥さんが作ってくれた昼食をご馳走になった後、神主さんと練習を始めた。


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