蝶々結び
「なっ、何やねんっ!!下から見んなやっ!!」


「はぁ!?創太だって、いつもやってる事じゃない!」


「それとこれとは違うねん!」


「何が違うのよ!?」


「あーっ!!もうっ!!煩いっ!!」


創太はそう言い捨てると、居間の方に戻って行った。


「創太のバカ!」


あたしはボソッと呟いて、庭に視線を遣った。


「……プッ!クックッ……!」


「あっ……」


「ヤベェ〜ッ!マジでイイもん見れた〜!」


そう言った上杉先生は、全身を震わせながら笑っている。


不覚にも、先生が隣にいる事を忘れていた。


最悪……


よりによって、こんな変な所を見せるなんて……


さっきまでの心の軽さが嘘のように、また落ち込んでしまった。


田舎で上杉先生と会ってからは、悩んで解決してまた悩んでの繰り返しだ…。


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