蝶々結び
「こんな狭いとこに、無理矢理座らなくてもイイじゃない!」


間に割り込んで来た創太にムッとして、考えるよりも先に強い口調でそう言った。


「座れるねんから、別にええやろっ!!」


「わざわざ間に座らなくても、あっちかこっちに座ればイイでしょ!」


「お前、何拗ねてんねん!?」


「はぁ!?どこが!?」


眉を寄せた創太の言葉に、ムカッとした。


普段は喧嘩腰になったりしないのに、彼が相手だとついムキになってしまう。


「だって……お前、ヤキモチ妬いてるんちゃうかって言うくらい、ムキになってるやんけ!」


「誰に妬くのよ!?」


「だからぁ〜……」


ムカムカしながら勢いよく言い返すと、創太は言葉に詰まって黙り込んだ。


「何よ?」


あたしは、彼の顔をゆっくりと覗き込んだ。


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