蝶々結び
スーパーに着いたあたしは、メモを広げて驚いた。


そこに書いてあったのは、一人では持ち切れない程の量の買い物。


「嘘でしょ……」


こんな事なら、自転車で来れば良かった……


だけど、わざわざ自転車を取りに帰る気にはなれない。


あたしは、後悔しながらカートを取りに行った。


買い物をしながら、どんどん増えていくカゴの中身を見て、不安になっていく。


やっぱり一人じゃ持って帰れないかも……


母を少しだけ恨めしく思いながら、レジに並んだ。


会計を済ませて、買った物を袋に詰めていく。


あたしは四袋分にもなった荷物を持って、渋々歩き始めた。


だけど…


出口に着くまでに、早くも挫折しそうになっていた。


「重い物ばっかり……」


そう呟いた瞬間、急に左手が軽くなった事に驚いて振り返った。


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