蝶々結び
「上杉先生っ!?」


あたしは後ろに立っていた人物を見上げて、思わず叫んでしまった。


「恥ずかしいから、そんな大声で先生って呼ぶな!」


「あっ、すみません……」


周りからの視線に気付いて謝ると、上杉先生がフッと笑った。


「お前、こんなに食うの?」


先生はあたしが買い物した袋を持ち上げて、楽しげな笑みを浮かべている。


「ちっ……!違いますっ!!これはお母さんに頼まれてっ……!」


慌てて否定すると、上杉先生が吹き出して笑った。


「わかってるっつーの!お前、家どこ?持ってやるよ!」


「イッ、イイですっ!!」


「バーカ!ガキがつまんねぇ遠慮なんかすんな!」


「でも本当に……」


「イイから行くぞ!」


上杉先生は、あたしの荷物を持ったまま歩き出した。


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