蝶々結び
「七星さん、ずっとニヤけてません?何かイイ事でもあったんスか?」


「えっ!?ぜっ、全然そんな事ないよ!?」


白田君の鋭い質問に、動揺しながらも笑顔で答えた。


自分でも顔がニヤけているのがわかるけど、そんなにバレバレだったなんて思っていなかった。


あたし達のやり取りを少し離れた所で見ていた上杉先生は、苦笑していた。


「何か怪しい……」


白田君は、あたしに疑いの眼差しを向けている。


「何にもないってば!ほら、仕事してね!」


あたしは、彼から視線を逸らして言った。


「ふ〜ん……」


まだ不満そうな白田君は、あたしの顔を覗き込んで笑顔で口を開いた。


「じゃあ、夏休みの予定ってあります?」


「へっ!?よっ、予定っ!?」


夏休みの話題が出た事に驚いて、つい声が裏返ってしまった。


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