蝶々結び
白田君はニッと笑うと、とんでもない事を口にした。


「予定がないなら、俺とデートしましょうよ♪」


「へぇ……。デートかぁ……」


「はい♪」


ん……?


「……えぇーっ!?」


思わず叫んでしまったあたしは、その場にいた全員の注目を浴びた。


「デッ……っ!むっ、無理っ……!」


両手をブンブンと振りながら、必死に断った。


「イイじゃないスか♪」


「無理ーっ!!!」


「何、白田って須藤狙い?」


三年で会計を担当している男子が、楽しそうに尋ねた。


「そんな訳な……」
「そうっスよ♪」


あたしが否定しようとした時、白田君の肯定の言葉が重なった。


「俺、七星さんが好きです!」


そう言ってニッコリと笑った彼を前に、あたしは固まってしまった。


< 325 / 494 >

この作品をシェア

pagetop