蝶々結び
「もしもし……。先生……?」


やけに緊張しているあたしは、ドキドキしながら電話に出た。


「七星?」


「はい……」


上杉先生の優しい声が、あたしを少しだけ落ち着かせてくれる。


「久しぶり。終業式以来だけど、元気にしてたか?」


「はい……」


「ブッ……!お前、何で緊張してるんだよ?」


突然、吹き出した上杉先生は、楽しそうに言った。


「だって……先生と話すの久しぶりだし……。それに、全然連絡くれないから……」


拗ねた口調でそんな言葉を口にした後、少しだけ後悔していた。


気まずくて避けていたのは、たぶん自分(アタシ)の方だ…。


だから、別に上杉先生が悪い訳じゃないのに…。


「ちょっと意地悪してやろうと思ってな♪」


先生はクスッと笑って、意地悪な口調で言った。


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