蝶々結び
「わぁ〜っ!!綺麗!」


上杉先生に連れられて着いた所は、大きな噴水のある広場だった。


「だろ?七星、こういうの好きだと思ってさ!まぁ、公園だから暑いけどな……」


あたし達は少し先にあるベンチまで歩いて、そこに腰掛けた。


ベンチはちょうど木陰になっていて、心地好い。


あたしは、目の前の噴水を見つめていた。


「創太と電話したんだって?」


不意に上杉先生に尋ねられて、胸の奥がズキッと痛んだ。


だけど、何を言えばいいのかわからなくて、黙って俯いてしまう。


「ちゃんと配慮してやれなくて、悪かったな……」


申し訳なさそうに言った上杉先生が、あたしの頭を優しく撫でた。


「いえ……。大丈夫です……」


だって…


本当に辛いのは自分(アタシ)じゃなくて、創太だと思うから…。


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