蝶々結び
「先生っ……!」


「ん?」


深呼吸をしてから顔を上げ、上杉先生の瞳を真っ直ぐ見つめた。


ずっと考えていた事を、先生に伝える為に…。


「あの……話があるんです……」


「うん、何?」


上杉先生は優しい笑みを浮かべて、あたしを促した。


「あたし達の事……優子にだけは言ってもイイですか?」


「え?優子って、白田?」


あたしは小さく頷いて、上杉先生の言葉を待った。


実は、優子の事がずっと気になっていた。


あたしは優子の気持ちを知っているのに、上杉先生との事を彼女に話していない。


もちろん秘密にしなければならない事も、よくわかっているけど…


優子は親友だから、彼女にだけはちゃんと言いたいと思っていた。


ただの自己満足なのかもしれないけど、創太と話してその思いが余計に強くなったんだ…。


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