蝶々結び
振り返った上杉先生が、楽しそうに口を開いた。


「やりますか♪」


「何をですかー?」


あたしが尋ねると、上杉先生は笑顔を見せた。


「砂浜で愛を叫ぶ♪」


「はい!?」


こんな所で、そんなドラマみたいな恥ずかしい真似が出来る訳がない。


いくら人が少ないとは言え、注目を浴びるに決まっている。


呆れて立ち尽くしていると、上杉先生がクスッと笑った。


「七星ーっ!!好きだーっ!!」


「えぇーーーっっ!?」


上杉先生が大声で叫んだ後、驚いたあたしも叫んでしまった。


本当にやるなんて……


てか、“あたしの”罰ゲームなんじゃなかったの……?


「七星の番だぞ〜!」


「あっ、あたしっ!?」


飛んで来た言葉にギョッとしたあたしに、上杉先生が笑顔で頷いた。


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