蝶々結び
優子もアップルジュースを飲み干し、あたしに笑顔を向けた。


「優也が告ったんだってね!」


「えっ!?知ってたの……?」


優子が知っていた事に、すごく驚いた。


「優也から聞いたの!まぁ強制的に訊き出したんだけどね!」


「そうなんだ……」


「優也にとっては残念な結果だったけど、仕方ない事なんだよ?七星の事だから、優也に対して『悪いな〜』とか思ってそうだけど……。気にしちゃダメだからね!」


優子は笑顔で言って、グラスをクルクルと回した。


白田君に申し訳ない気持ちがあるのは事実だけど、今は上杉先生との事の方が気掛かりだった。


優子に話すなら、きっと今だよね……


あたしは心の中で自問自答をした後、思い切って話を切り出した。


「あのさ……」


緊張で裏返った声が、あたしを余計に緊張させた。


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