蝶々結び
周りのざわめきが急に近くなった気がしてハッと我に返った時、自分が教室にいる事に気付いた。


どうやって戻って来たのかなんて、全くわからないけど…


ただ力無く椅子に座っている事だけは、事実だったみたい。


先生……


どうして……?


未だに状況が把握出来ないあたしは、心の中で疑問を繰り返す事しか出来なかった。


先生……


どこにいるの……?


唇を噛み締めて俯く最中(サナカ)、一つの思いが胸を占めた。


行かなきゃっ……!


どこに行けばいいのかなんてわからないけど、バッグに荷物を詰め込んで立ち上がった。


学校を出たら、まず先生に電話しなきゃっ……!


乱暴にバッグを掴んで、ドアに向かって走り出した。


だけど…


次の瞬間、誰かに腕を引っ張られて、強引に足を止めさせられてしまった。


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