蝶々結び
「関西の奥の方で、別に特に何もない所だよ。周りは、川とか畑とかばっかりで……。一言で言うなら、『自然がいっぱーい!』って感じかなぁ……」


「それだけっ!?」


「うん、本当に何もないもん」


「そっか〜。じゃあ、つまんないよね……」


「まぁイイ所だけどね!」


つまらなさそうな顔をした優子に、笑顔を見せて答えた。


「ねぇ!携帯の電波は届く?」


「さすがにそれは大丈夫だよ!まぁ届くようになったのは、結構最近みたいだけど……」


あたしが呆れながら言うと、優子がクスッと笑った。


「じゃあ、メールするね♪」


「うん、待ってる♪」


あたし達が顔を見合わせて笑うと、チャイムが鳴った。


「ほーら、席に着け〜っ!!」


上杉先生が教室に入って来て、皆は浮足立ったまま席に着いた。


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