蝶々結び
「お前らが大好きな通知表渡すからな♪名前呼ばれたら、さっさと取りに来いよ〜!」


上杉先生は顔の横で全員分の通知表をちらつかせて、ニンマリと笑った。


「待ってー!無理だってっ!!」


「俺、絶対親父に殴られるって!」


「先生、俺はいらないし!」


「りょーちゃん!甘くしといてくれたー?」


「こらー!『りょーちゃん』って呼ぶな!俺は『上杉先生』だ!他の奴も静かにしろ〜!」


教室のあちこちから、ブーイングが飛んで来た。


だけど、上杉先生の人気は相変わらずで、先生も皆もすごく楽しそうだった。


「じゃあ、名前呼ぶから取りに来いよ〜!」


上杉先生は、順番に通知表を渡し始めた。


通知表を受け取った子達は、喜んだり嘆いたりしていて…


上杉先生は、一人一人に何か言いながら通知表を渡していた。


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