蝶々結び
「ほい、須藤」


「あっ、はい」


教卓から身を乗り出した上杉先生から、通知表を受け取った。


「生徒会もやりながら、勉強もよく頑張ったな」


「あっ、はいっ……!ありがとうございます!」


上杉先生に褒められて、すごく嬉しくなった。


「夏休みはどうするんだ?」


「ずっと田舎にいる予定です……」


優子と遊べない事を思い出すと、少しだけ憂鬱になって来る。


「そっかぁ。須藤に会えて、じいちゃんとばあちゃんは喜ぶだろうな♪成績が良かった事も、仲良しの友達が出来た事も、ちゃんと報告して来いよ!」


上杉先生はそう言って、ニッと笑った。


「えっ?」


「『えっ?』じゃねぇよ!お前、成績良かっただろ!」


「そうじゃなくて……」


あたしは、『仲良しの友達』って言う言葉が気になった。


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