☆★グリン・ピース★☆
擦れた声で聞いた。

彼の言葉を待った。

「君の身近な人間・・・」


「・・・・」


「俺は部外者だから

会社の詳しい陰謀については

聞かされていない。

ただ、苗場の関わっている

プロジェクトが成功すれば

大きな損害を被る人間たちが

いることは確かだ。

だけど、正直俺には関係ない。

どっちが勝とうと

知ったこっちゃねえんだ。

俺はいつの間にか

お前に興味を持ち始め

感情が芽生えて

お前の幸せを願うようになった。

俺はプロじゃないからね。

だからこうして今

お前の前にいる・・・」

クシャクシャっと

前髪を崩して彼は俯いた。

まるでもう一人の人間が

彼を占領したみたいに

言葉遣いまでが乱暴になった
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