%コード・イエロー%
・・本当に、新婚さんみたいだ。
そんなことが頭に浮かんで、慌てて首を振った。
昨日の教訓をもう忘れてしまうなんて、本当にお馬鹿な脳みそだ。
「あの、大丈夫ですか?」
「何が?」
ホットサンドを口に運びながら、亮雅は私を見る。
ただの食パンなのに、亮雅が持つと、なんだか高級な食品に見えるからすごい。
「ほとんど寝てないんじゃ」
私の意図を汲んで、亮雅は、あぁ、と納得したようだ。
「学生時代はボート部で鍛錬してたから、体力はあるんだ。
アメリカにいた頃から、2~3時間の睡眠なんて当たり前だったし」
そういえば、亮雅はアメリカで医師免許をとったって噂だった。
入院中に聞いた話は、どうやら事実らしい。
「どうして、アメリカに?」
「両親が離婚してね。
母と二人で暮らしてたんだけど、アメリカの方がのびのび暮らせるんじゃないかって、
母が言うもんでね。高校を卒業してから向こうに行ったんだ。
確かに、面白い経験だったと思うよ」
ちょっとのびのびしすぎだ、と思わないではないけれど、
楽しそうな雰囲気を漂わせる亮雅の様子から、
アメリカでは楽しい思い出がたくさんあるんだろう、と思った。