%コード・イエロー%

流動食から固形食へ変わった朝ごはんを、やっとのことで食べ終わったばかりの私の前に、現れたのは。


「おはよう。調子はどう?藤崎さん」


何度見ても、間違いなく白衣をまとっている。

目の錯覚とか、私の脳がおかしいのでなければ、だが。


その男は、ゆっくりと私のベッドの横に腰をおろした。

白いプラスチックの名札が、目に留まる。


仲地亮雅(なかちりょうが)。


それが、この男の名前。

看護師さんにも確認したが、正真正銘、この病院の医師らしい。


私を、電車の中で、痴漢から助けてくれた男、だ。


「特に、問題ない・・・です」













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