俺様☆姫様★王子様 【完】
自分でも驚く程に自然で。
全然ダメじゃん。
忘れなきゃいけないのに。
蓮はホントの彼女がいるのに。
情けなくなった。
「姫華ちゃん早く忘れなよ、あんな男」
琉奈ちゃんに頭を撫でられた。
「ご、ごめん。そんなんじゃ…あたしと蓮はそんな関係じゃないんだ…」
大粒の涙が零れるのがわかった。
わかってたけど、手が震えてて拭えないよ。
だってあたし達はまだ何も始まってないんだもん。
キスしかしてない。
「大丈夫」
まだ傷は浅い。
今なら引き返せる。
「ならよかった!」
あたしは琉奈ちゃんの笑顔を見る余裕、無かった。