Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
次の日。
夕べの雨が嘘だったかの様にカラッと晴れ渡った。
暑い教室でみんな汗をかきながら授業を受ける。
一つ、また一つと一学期最後の授業が終わっていく。
ちゃんとした授業は今日で最後だからなのかみんな集中している。
明日は終業式の後にホームルームと大掃除をするだけ。
「あれ?茂森くんだ。」
2時間目の休み時間にテニス部の茂森くんが教室を覗き込んでいた。
それに気付いた私は茂森くんの元に行く。
「茂森くん、どうしたの?誰かに用があるなら呼ぶよ。」
茂森くんは教室を見る。
「あー……ありがとう。拓哉に話したいことあったんだけど、機嫌悪そうだし良いや。」
そう言って茂森くんは自分のクラスへと帰っていった。
確かに、最近拓哉はずっと塞ぎ込んでいる様にも見えた。
きっとあの日から。
キス嫌だったわけじゃないのに。
なんで私あんなことしたんだろ。
なんで私あんなこと言ったんだろう。