Cスクール~崖っプチの15歳~
それなのに……

彼は私の手に触れて何かを忍ばせてきた。

「えっ」

心臓が止まった……

時間が止まった……

何が起こったのか分からなかった。

触れられたことが嬉しくて私は走って部屋へと入った。

部屋のトイレにこもって、手のひらを開けると、小さくたたまれた白い紙が。

『夕飯後、昨日の階段で待ってる』

キレイとはいえない文字で書かれた彼からの手紙。

涙がこぼれだした。嬉しくて。嬉しくて。

 私は何にもできない弱虫で
 ただ思うことしかできない卑怯者で
 それで満足だって思いながら生きてきた
 
 だけどあなたはそんな私をひっぱってくれる。それがすごく嬉しいんだ
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