Cスクール~崖っプチの15歳~
「あぁ」

彼は結局第2ボタンを誰にも渡さずに帰って行ったと後から知った。

なんでもらわなかったんだ! とたくさんの人から責められた。もったいない……って

彼の第2ボタンの行方は高校3年になってから知った。ゴミ箱に捨てたって……。

 今でも分からないよ。
 高い存在の人なんだもん

ただ、くれようと取っておいてくれたことだけで嬉しかった。


村上君を探すため別れを惜しむ人たちの中、私は走った。

 どうか、第2ボタンありますように

彼は、神川君と校庭にいた。

ズボンのポケットに手を入れて歩く姿に、やっぱりドキドキする。

彼の前に立つと、神川君が「じゃあオレあっちで待ってるわ~」

と気を利かせて二人きりにしてくれた。
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