Cスクール~崖っプチの15歳~
屋上は普通、鍵がかかっていて特別なことがない限り、足を踏み入れることはない。

特別なことと言っても頭に浮かぶのは卒業アルバムに載せるクラスごとの記念写真を撮ることくらい。

思い出の欠片もないその場所で青空を撮りたいがために屋上へ連れて行かれる。

カメラマンが本当に撮りたいのは空なのだ、きっとそういうものなのだろう。

皆は面倒臭いやら、なんで屋上なんだと愚痴をこぼしていたけれど、むしろそれがなかったら一生謎の空間だったのだから、感謝するべきなのかもしれない。

そんなことを考えながらもなぜハマに屋上へ連れて行かれているのか分からずに扉に着いた。

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