飛べないカラスたち



「すみません、ジャックドー。殆ど休んでいないのに……助かります」



「構わない。後で集めた情報を送る。何処を担当するか・誰から消していくかと、最終日に落ち合う場所を決めておいてくれ。ルックの状態が気になるのと、少し気になる情報があった」



「気になる情報?何でしょうか」



「詳しくは落ち合った時に話そう…まだ調べている最中だ。ただ、世界のいくつかで『カラス』が殺されているという情報が秘密裏に流れている」



シン、と辺りが静かになった。


レイヴンは何か言葉を繋げようと口を開くが、何を言えばいいのか迷い、言葉にならない。


レイヴンの近くにはクロウとルックがいたが、二人も違和感のある間と、それ以上に困惑した表情のレイヴンに、どちらも訝しそうに会話の行く末を見守っている。



「ただの事故かもしれないし、自殺かもしれない。ただ、彼ら『カラス』はメンバーの一人が、ではなく『カラス』ごと消滅しているということが少し気になる」



「そ、それは……」



「俺の考えすぎかもしれない。削除最終日までに、出来るだけ探っておく。今はまだ確信めいたことは何も言えない」





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