飛べないカラスたち
「うまくなったじゃねぇかカイン!」
少年たちは無邪気な笑顔を浮かべて万引きをしたカインを褒めた。
こうやって褒められることさえ何年ぶりかと思うほど久しぶりで、カインはふと兄を思い出した。
こんな自分の姿を見たら、レイは怒るだろうか。
いや、レイはただ悲しそうな顔をして謝るのかもしれない。「傍にいてあげれなくてごめんなさい」と。
そこまで考えてその雑念を追いやる。
今はリクやセイが傍にいてくれる。それだけでいい。
もうレイが帰ってこなくても、ルックには大切な友達が居て、毎日笑いあうことが出来て、闇など怖くなくて、恐れなどなくて、ただ少しだけ良心が痛む。それだけだった。
「今度は空き巣に入ろうぜ?俺の家の隣、結構金持ってそうなんだよな」
お菓子やジュースで他愛のない会話を楽しんでいると、リクがそう言い出した。
ルックは楽しそうだと呟きながら問いかけた。
「へぇ、何処?」
その答えは、かつて自分の兄を『妾の子』だと言って笑った、教師にすがり付いて泣きべそをかいていたあの男子の名だった。
かつての復讐をかねて、ルックはそれに同意し、セイも賛同した。