飛べないカラスたち



それからすぐに何時に家人が留守になるという情報をリクがあれこれと語り始め、では午後の3時に行ってみよう、という話になった。


午後の3時など、授業中だったがルックの家は殆ど誰も帰ってこないので、休もうが何をしようが誰も気付かない。


なので一日休んで午後3時、クラスメイトの男子の家へと三人は侵入した。


室内を荒らし、いろんな棚を物色し、所々に置かれているお金をポケットに押し込んでポケットの中が膨らんできた頃。


突然家の中で三人が出した音以外の物音が聞こえた。




ギィ、ギィ、……




心臓が掴まれた様な、痛みを感じて振り返ると、老婆が微笑みながら車椅子で3人の目の前へと現れた。



「いらっしゃい、お茶飲む?」



その老婆は彼らの存在を気にした様子なく、そう問いかけてきた。



「お客さん、お茶はいかが?あぁ、そうお電話。お電話しなくちゃ。ママにお電話、お客さんよーうふふふ、あら、何番だったかしら」



微笑みながら、老婆は電話を掴むとたどたどしく電話を掛け始めた。


その老婆が痴呆か何かであるということにその動作で気付いたが、どこかに電話を掛けようとする老婆に、リクが思わず老婆から電話を奪い取って、車椅子を押して、廊下に作られた倉庫へと押し込んだ。


乱暴に扱った所為で、車椅子はひっくり返り、「きゃあ」という叫び声が響いてそれきり静かになった。




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