飛べないカラスたち
『カイン、本当にごめんなさい…こんなにも連絡が遅くなってしまって……』
「兄さんは、今何処にいるの?」
『教会、です。大主教様に救っていただいて、今は神学徒としてここで生活しています』
別れてもまともな道を歩んでいけた兄と、堕ちた自分。
今はもう兄の手を掴むことさえ出来ないほど、この両手は汚れてしまった。
『カイン、明日会えますか?土曜日ですし、学校はないでしょう?』
「え、明日…?」
『都合が悪いですか?』
ルックは暫く考えた。
明日、兄に会って気持ちが傾いたら兄のほうへ付いていこうか、それとももう会わずに友と一緒にこの地区を離れるか。
しかし逃げたら、自分の犯した罪を償う機会を失い、捕まった時には死刑は確実だろうか。
ならば最後に兄に会っても良いのでは。
ふと、先ほどのレイの言葉が頭の中に反芻された。
「兄さん、教会にいるんだよね…?」
『はい。そうです……』
それである。