最後の夏~Last★Summer~
「ふぅ…疲れた…」
「振りすぎて肩やばいっす」
「だな。今日はもう上がるか」
片付けをして、制服に着替え
祥平さんに挨拶をして門を出ると、
門の端っこでしゃがみ込む
一人の女の子がいた。
俺には関係ないと思い、
無言で通り過ぎることにした。
「グス…はぁ…っ…」
……泣いてる?
さすがに泣いてる女の子を
無視できるほど最悪な男じゃ
ない俺は、女の子に近寄った。
「……あの…大丈夫…っすか?」
見ず知らずの女の子に声を
かけるのは初めてで弱気になる。
「ん……グス……っ」
─ドキッ
俺の声に気付き、顔を上げた
女の子を見て俺は顔が赤くなる。
暗さではっきり見えないが
整った顔で可愛いのは分かる。
「っ…と…」
「…グス……ごめんなさい…迷惑ですよね…帰りますから」
女の子はそう言って
立ち上がった。
よろよろと歩く姿を見て
何故か俺はほっとけなかった。
「なぁ…俺で良かったら話し聞くけど…。」
何言ってんだよ俺。
ナンパ?って思われるぞ。
でも…泣いてるこの子を見て
何かしてあげたくなったんだ。