焦れ恋オフィス
「芽依ね…。夏基の事諦めたのよ…」

静かに…けれどきっぱりと言う花凛の腕を思わず掴むと、微かな震えが伝わってきて、冗談なんかじゃない事がわかる…。

「諦めたってどういう…?」

悲しそうに俺を見つめる花凛に詰め寄ろうと足をぐっと進めると…。

騒がしくなった部内。

振り返ると、部長の席に近付く…高橋専務が見えた。

部長は立ち上がり、高橋専務に頷くと、

「仕事を始める前にちょっと集まってくれ」

何かある…。
花凛を見ると、俺を気にしながら…緊張しているのがわかる。
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