焦れ恋オフィス
「芽依のそんな弱いとこ、初めてだな…俺が見たの」

「…ん?」

ふと視線を上げると、意味ありげに笑う拓真の笑顔。

「仕事でも飲み会とかでも、仕切ってがんがん決めていく姿しか見てなかったからな。
そんな迷ってるとこ、新鮮」

「な…何を…」

「くくっ…。赤くなるのも初めて見た」

「…ほっといてよ。
ほら花凛もなんか言ってよ」

「ふふっ」

慌てる私を見て笑う二人。

「…だから、とにかくしばらくは夏基には何も言わないで」

思ってるよりも小さくなった声…。

そりゃ、本当は夏基に会いたい…。
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