焦れ恋オフィス
それでも。

芽依に会いたくて、抱き締めたい気持ちは隠す事はできない…。

軽く深呼吸して足を踏み出した時、背後から呼び掛ける声が聞こえて振り返った。

「あの…。芽依ちゃんの会社の人じゃないですか?」

大学生くらいの男の子が、爽やかに笑いながら俺を見ている。

誰だろ…?

「芽依…って、佐伯芽依…?」

「そうです。僕は芽依ちゃんの弟の央雅です」

「弟?」

「はい。土曜の晩にしゃぶしゃぶの店で芽依ちゃんと話してるのを見たんで…」

顔は笑っているけれど。
瞳には厳しく俺を見つめる戸惑いのようなものが揺れていた。
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