焦れ恋オフィス

止まらない涙で夏基を濡らしながらしがみついていると、抱き締めてくれるのを感じてホッとする。

「夏基…」

「ん…？」

「夏基…」

「ん」

ぽんぽんと背中を優しくたたいてくれる。
首筋に、夏基の吐息を感じる。

それだけで、涙が止まらない。

ゆっくりと顔を上げて、見つめると。
不安と寂しさ…優しさと愛しさ。
夏基の瞳につかまった。

そっと顔を寄せると、夏基の唇が落ちてきた。

触れるだけの軽いキス…。

「泣くなら俺がいる時にしろ」

「夏基…」