焦れ恋オフィス
夜空を見上げると、曇ってるせいか星も月も見えなくてどんよりしてる…。

仙台はどうなんだろ。

晴れてるのかな…。
ちゃんと晩ご飯食べたかな…。

今日は、電話するのやめようと思ってたけど、どうしても夏基の声が聞きたい。

ポケットから携帯を取り出して…。

夏基…。

10回目のコール音の後、聞こえてきたのは…。

待ち望んでいた愛しい声じゃなく。

「もしもし?…夏基なら会社用の携帯に電話があって席を外してるよ」

「あ…はい…」

誰?
可愛らしい声…。
『夏基』と呼ぶ親しい関係の女性…。

もしかして。

瑶子さん?

「あの…夏基がもどったら…。

いえ、いいです」

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