焦れ恋オフィス


「慎也さんが相模さんと親しいらしくて、俺に紹介してくれるらしいんだ。
こんな機会滅多にないし、コンクールの厳しい講評も聞きたいから、今から行ってくるな。
ごめん。塩焼きそばは次におごってやる」

夏基は、私の頭を抱いて、顎を乗せると軽く溜息を吐いた。

「……そういえば、来週も、友達の結婚式で仙台だから会えないんだった」

「……そうなんだ」

そんな事、初めて聞いた。

じゃ、来週は夏基はここにはいないんだ。

「金曜の晩に向こうに着いて、日曜の晩の飛行機で帰ってくる予定だ」

「うん……。忙しそうだね。気をつけてね」

私は更に寄り添って、思い切り夏基の匂いをすいこんだ。

何度も触れたことのあるその匂いは私を落ち着かせると共に、切なくもさせる。

しばらくその匂いを忘れないように目を閉じてじっと集中すると、私はゆっくりと夏基から離れた。

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