月と太陽Ⅱ

第十三夜、呪われし者




その時だった。


ヒュッという風を切る音がして猪が一瞬怯んだ。


猪の背中を見るとシルバーの鉄の矢が深々と刺さっている。しかも2本も。


猪は痛々しい雄叫びをあげるとまた森の中に消えていった。


レオルはあまりに突然のことに驚き、息を飲んだ。


「危なかったわね」
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