3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「俺、席外しますね」



母親と二人きりにさせるため、音楽室から出ようとする恭介の右足を美雪はグリグリとスリッパで踏み付けた。



「ぬおっ!」



「逃げるつもり?最後まで責任持って居なさいよ」



「はい、すいません」



勝手なのよ、皆
勝手に離れて
勝手に戻ってきて
嫌いになりたくても


嫌いになれないじゃない……。



皆、勝手すぎるよ。



「これ……」



鞄から取り出した傘を象ったピアスを机上に置いた。


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