言霊師
ムメと一言主は、勇次が追跡してくる事など気にも止めずに、ある場所に来ていた。
手を引かれるままに彼に着いて来たムメだったが、さすがに今は目を丸くしていた。
一言主は、徒歩では到達できるはずのない場所へムメを連れて来たのだ。
大学を出て、坂を下った所まではいつもの見慣れた風景だったのに、道路を渡って左へ曲がると、既にそこは遠く離れた土地の風景になっていた。
「神隠しって、こんな感じなんですかね…?」
少し本気で尋ねたムメの頭が、軽く二、三度叩かれる。見上げると、優しい顔をした一言主が道の先を見つめていた。
「……一言主様?」
手を引かれるままに彼に着いて来たムメだったが、さすがに今は目を丸くしていた。
一言主は、徒歩では到達できるはずのない場所へムメを連れて来たのだ。
大学を出て、坂を下った所まではいつもの見慣れた風景だったのに、道路を渡って左へ曲がると、既にそこは遠く離れた土地の風景になっていた。
「神隠しって、こんな感じなんですかね…?」
少し本気で尋ねたムメの頭が、軽く二、三度叩かれる。見上げると、優しい顔をした一言主が道の先を見つめていた。
「……一言主様?」