言霊師
その気迫に押されて、ムメはまず、言霊師になる義務を持つ家―――自分の実家について話し出した。
―――……今ではもう、知る者は限られているけれど。
かつて、一言主の神はヒトの近くにいた。今よりももっと近くで、言葉を、ヒトを見ていた。
それを支え、祠を守りながら生活する家があった。
それが、ムメの実家。
ムメの祖先にあたる人達は、言霊に囲まれる穏やかな生活がずっと続くはずだと疑わなかった。
戦が始まるまでは。
―――……今ではもう、知る者は限られているけれど。
かつて、一言主の神はヒトの近くにいた。今よりももっと近くで、言葉を、ヒトを見ていた。
それを支え、祠を守りながら生活する家があった。
それが、ムメの実家。
ムメの祖先にあたる人達は、言霊に囲まれる穏やかな生活がずっと続くはずだと疑わなかった。
戦が始まるまでは。