カレカノ

「おい!」



「…なに?」



いきなりのドスの利いた低い声に怯えたような声を出した。



「どけよ」



「……わかったわよ」



慶太は無言で不機嫌になった朱希を見つめて、ある事を思い出していた。



それは去年のクリスマス…―



バイトを始めた柚葉はバイト仲間の大学生に気に入られ食事に誘われた。



断り続けていたが相手の執念に負け一度だけと食事に付き合った。



そこまでは良かった…―



食事が終わり店を出た2人を待っていたのは大学生の彼女。



怒り狂い恋人達が賑わう街の中で大声で怒鳴る。



たまたま、近くを通りかかった愛子が柚葉を思い朱希に電話をすると、すぐに駆けつけモメている3人に近付いた。


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