カレカノ

「篠山〜…教科書ぐらい開いてくれないかな?」



「あ…すいません…」



周りから聞こえるクスクスという笑い声に耳まで赤くなってうつむいた。



…―朱希のバカ!!!



アイツ…絶対に後でぶん殴る。



横目でグラウンドの朱希を見るとあからさまに馬鹿にしてるような笑顔を浮かべ見ている。



舌を出し窓を閉めると黒板の方に視線を戻した。



「あ!窓閉めやがった」



「…だね」



朱希、後でぶん殴られるね…。



「っだよ…つまんねぇの」


「篠山さんからかう時の朱希の顔って小憎たらしいよね?」



「アイツからかうと面白いじゃん?」



そんなんだから殴られたり蹴られたりするんだよ…



…―案の定



体育が終わり教室に戻る朱希を仁王立ちで待っていた柚葉に制裁を受けた。


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