カレカノ


「じゃ!行って来ま〜す♪」



忙しなく洗濯物を干すおばさんに告げて朱希の自転車の後ろに乗った。



「いやいや…何してんの?」



「乗ったのよ」



「うん、乗ったのは知ってるよ…今、自転車がウィリーするのかと思ったし」



―…ドガッ



「……」



その言葉に柚葉が後ろから思いっきり背中にパンチを食らわせると痛みから声を出せずに背中を震わせている朱希。



「行くよね?」



「……行きます」



笑顔で朱希の顔を覗き込みながら固く握られた拳を見せると怯えながらペダルを踏み込んだ。



―…休みの日に朱希と出かけるなんて不思議。



雲ひとつない真っ青の空と吹き抜ける風が気持ちいい。



「久しぶりだね〜?一緒に出かけるの」



風に消されないように、少しだけ大きな声で背中越しに伝えると



「…だな」



何ともあっけない返事が返って来た。


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